というわけで畳んだところに日記を書いておくよ!
最初に謝っておくよ
お借りしました
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「ただいまー!
あれわん太どうしたの?」
花咲うめが買い出しから帰ってくると、
百一匹わん太が太い眉と細い目を眉間に寄せて
なにやら考え込んでいた。
「わんわん(おや、うめさんお帰りなさいませ。
いやなに、新しいお仲間さん方の名前をどうしようかと考えていたところです)」
組んでいた前脚を解き、お手でもするかのように
たすん、とテーブルへ肉球を置くわん太。
視線を下に向ければ、そこには書道セットが一揃い。
とはいえうめが学校で使っているものとはちょっと違い、
墨汁ボトルだの筆鞄だのというものはなくなかなか本格的である。
どうやらわん太、命名したら一筆したためるつもりらしい。
「わんわん(......ふむ)」
「わー、本当に黒くなるんだね」
「わんわん(はっはっは、漆黒漆黒。ダークホースさん色ですね)」
興味深そうに覗き込むうめを横に、
前脚で墨を握り、丁寧に墨を擦る。
ダークホース。
前回仲間にした遺跡に棲む者であり、
前衛殺しとして名高い黒き馬。
これまでお世話になったホースディアや狼少年
そしてエスニさんの契約満了に伴い、
これからしばらくの間働いてもらう予定の強力なペットである。
「わんわん(饅頭蟹さんには既に名前があるようなので、
本日名づけるのはダークホースさんだけです)」
馬といわれているが犬にしか見えないその体躯を
わん太は真正面から見据える。
名前付けの儀。
文字通り捕らえたペットに名前をつける作業だが、
それだけではない意味を持つ。
この島において一部の冒険者はペットを捕らえ、
「自由に名前と姿を変えさせる」ことができるのだ。
島における戦闘能力こそもとのペットのままだが
名前や性格、その意思などは冒険者たちで設定できるため
自分の知人や恋人、家族などの意思をペットに載せて
共に冒険する者も多いらしい。
常ならばインプさんやヴィヴィ緒ちゃん、エスニさんといった
車族のペットたちを「載せる」はずだったが
現在インプさんは修行の旅、ヴィヴィ緒ちゃんは育児休暇中、
エスニさんはプチ忍者に既に載っている上
契約期間満了に伴い今回でお別れという事情もあって
これらの名は使えず、ならばとわん太は
新しい名前と姿を与えることにしたのだった。
「でも、ダークホースさんのままじゃダメなの?」
うめのもっともな疑問に答えたのは当のダークホースである。
「ヒヒヒヒッ!
俺ぁそれでもいいんだがよう。
嬢ちゃん、俺みてぇなのと一緒に旅して平気なのかぁっ!?」
そういって前脚を振り上げる姿は、ぶっちゃけとても怖かった。
「えーと......か、改名お願いします」
「ヒヒヒヒッ!
まあそれが賢明だわな。おぅ大将、とっととやってくんなっ!」
「わんわん(はっはっは、賛成多数賛成多数。
とはいえいまいち新しい名前というのも難しいんですよね。
うめさん、何か希望はありますか? どんな姿がいいかとか)」
「えっ?
えーと、んーと......もとはダークホースさんなんだし、
強くて速いのはそのままで、
でもちょっと可愛くてあんまり怖くない......のがいいかな」
「ヒヒヒヒッ! 嬢ちゃん割と正直だなぁっ!
それを俺の目の前で言うたぁ!?」
「ひうっ!?」
怖がるうめをはっはっはと流して、わん太は考える。
「ふむ......強くて速くて、その上で可愛さ愛らしさ、
気高さと言ったものを盛り込んだ名前と姿。
そういえば名のある冒険者さんにそんな条件にぴったりの方がおりましたね。
ではその方にあやかって、この名前にするとしましょうか」
そう言ってわん太は前脚で筆を取り、
さらさらさらさら、
犬に似合わず達筆で、しかし太眉のように力強い字で
ひとつの名前を紙に記したのであった。
命名:
イ犬女臣みかん
「「パクリだー!?」」
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というわけで新ペットを入手しました
みかんさん日記書けなくてごめん
許可してくれて有難う
満足したぜイエーイ
やりたいほうだいのペット絵
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